目的:何切るシミュレーターの評価精度を向上させるために、ネット上で収集した麻雀戦術セオリーを体系的にまとめた文書。所々にソースコード補足がありますが、気にしないで下さい。
牌効率の基礎理論
牌効率とは
牌効率とは、和了に至るまでの受け入れ枚数を最大化する打牌選択の理論。正確には「シャンテン数が進む有効牌の枚数」を基準にした手牌構成の最適化を指す。
ただし、「牌効率 = 受け入れ枚数の最大化」という単純な定義は狭義であり、広義には和了に至る期待値(速度×打点)を最大化する打牌理論を意味する。
1.2 面子候補(ブロック)の基本
手牌は以下の「面子候補(ブロック)」に分解して評価する:
| 種類 | 例 | 受け入れ | 備考 |
|---|---|---|---|
| 完成面子(順子) | 崩してはならない | ||
| 完成面子(刻子) | 崩してはならない | ||
| 両面搭子 | 2種8枚 | 最も優秀なターツ | |
| 嵌張搭子(46待ち) | 1種4枚 | 好形変化しやすい | |
| 嵌張搭子(その他) | 1種4枚 | 好形変化しにくい | |
| 辺張搭子 | 1種4枚 | 最も弱いターツ | |
| 対子 | 1種2枚(刻子方向) | 雀頭候補にもなる | |
| 両嵌 | 2種8枚 | 隠れた好形 | |
| リャンカン(飛び石) | 2種8枚 | 強い複合形 |
受け入れ枚数の計算
- 各有効牌は最大4枚(手牌・副露・ドラ表示牌で見えている分を引く)
- 実効受け入れ枚数 = Σ(各有効牌の残り枚数)
- 山全体は136枚。手牌13枚、王牌14枚、他家手牌39枚、ドラ表示牌等を除くと、残山は概ね70枚前後
- 1巡あたりの有効牌ツモ確率 ≈ 実効受け入れ枚数 / 残山枚数
ターツ(搭子)の優劣
基本的な優劣順
搭子の強さは「受け入れ枚数」と「好形変化のしやすさ」で決まる。
強い順
- 両面搭子(リャンメン): 2種8枚。最優秀。特に 34, 45, 56 の中央寄りが強い
- 嵌張搭子(カンチャン・46系): 1種4枚だが、隣を引くと両面に変化する可能性あり
- 嵌張搭子(カンチャン・その他): 1種4枚。変化が限定される
- 辺張搭子(ペンチャン): 1種4枚。好形変化がほぼ不可能
- シャボ(対子×2): 対子2組は2種4枚の待ち。テンパイ時の最終形としては弱い
ターツの位置による差
同じリャンメンでも位置により好形変化の可能性が異なる:
| ターツ | 待ち | 好形変化(受け入れ以外の有効牌) | 評価 |
|---|---|---|---|
| 3待ち(ペンチャン) | 4引きで1切り→24カンチャンに変化 | 弱 | |
| 14待ち(リャンメン) | 5引きで2345ノベタン方向に伸びる | 良 | |
| 25待ち(リャンメン) | 1,6引きで複合形に伸びる | 優 | |
| 36待ち(リャンメン) | 2,7引きなど多くの変化 | 最優 | |
| 47待ち(リャンメン) | 3,8引きなど多くの変化 | 最優 | |
| 58待ち(リャンメン) | 4,9引きで複合形に伸びる | 良 | |
| 69待ち(リャンメン) | 5引きで5678ノベタン方向に伸びる | 良 | |
| 7待ち(ペンチャン) | 6引きで9切り→68カンチャンに変化 | 弱 |
ターツ選択のルール
同じシャンテン数ならターツの質で選ぶ
- リャンメン > カンチャン > ペンチャン
- 中央寄りのターツ > 端寄りのターツ
- 好形変化の余地があるターツ > 固定のターツ
ターツオーバー時の切り方
- ペンチャンから外す
- カンチャンがあればペンチャンより残す(変化の可能性)
- 同格のターツなら、ドラ絡みや役絡みのターツを残す
複合形の評価
4枚形
| 形 | 名称 | 特徴 | 受け入れ | 評価 |
|---|---|---|---|---|
| ノベタン | 順子+単騎が2通り | 2種 | ◎ | |
| 端膨れ | 両面+対子 | 複数変化 | ◎ | |
| 端膨れ | 両面+対子 | 複数変化 | ◎ | |
| 中膨れ | 順子の内側が対子 | 複数方向 | ◎◎ | |
| 暗刻+隣 | 刻子+両面の可能性 | 待ちが広い | ○ | |
| 暗刻+嵌張 | 刻子+カンチャン | ○ | ○ | |
| 四連嵌 | 嵌張が連続 | 2種 | △ |
5枚形
| 形 | 名称 | 特徴 | 評価 |
|---|---|---|---|
| 三面張(ピアノ待ち) | 1-4-7待ち | ◎◎◎ | |
| 二面子候補 | 面子+ターツが複合 | ◎◎ | |
| 面子+対子+ターツ | 複合好形 | ◎◎ | |
| 両嵌対子 | 「飛び対子は中を切れ」 | ○ |
中膨れ(なかぶくれ)の特殊な強さ
例: ![]()
![]()
![]()
![]()
- 345の面子 + 4の対子(雀頭候補)
- 344の搭子 + 45のリャンメン
- いずれのツモでも面子になりやすく、面子壊し判定を軽減すべき形
亜両面(あリャンメン)
例: ![]()
![]()
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![]()
- 234の面子 + 2の対子(雀頭候補) → 25待ちの両面だが、2で上がると頭がなくなる
- つまり両面待ちの片方が雀頭と重複している形
- 実質的には「5待ちの片面」+「2引きで22雀頭確定の良形」という二面性を持つ
- 2を引けば:2223+4… → 22雀頭+234面子で好形確定
- 5を引けば:2234+5 → 22雀頭+345面子で和了
- 通常の両面(2種8枚)より劣るが、カンチャン(1種4枚)よりは明確に強い
孤立牌の優先順位
孤立数牌の切り順
孤立牌を切る際の優先度(先に切るべき順)
切る優先度: 高 ←――――――――――――――→ 低
,
>
,
>
,
>
,
> 
理由: 中央の牌ほどターツに変化する可能性が高く、かつ形成されるターツの質も高い
- 1:

(ペンチャン), 
(カンチャン)の2パターン - 2:

(ペンチャン), 
(リャンメン), 
(カンチャン)の3パターン - 3:

, 
(リャンメン), 
, 
(カンチャン)の4パターン - 4:

, 
(リャンメン), 
, 
(カンチャン)の4パターン - 5:

, 
(リャンメン), 
, 
(カンチャン)の4パターン
3〜7はいずれも4パターンだが、5が最も価値が高い理由
- 赤5(赤ドラ


)の受けがある → 打点上昇に直結 - 形成されるターツ(45, 56, 35, 57)がすべて中央寄りで、さらに好形変化しやすい
- 3や7は端寄りのカンチャン(13, 79)を含むため、やや劣る
孤立字牌の切り順
切る優先度: 高 ←――――――――――――→ 低
オタ風 > 場風 > 三元牌 > 自風 > ダブ風
詳細
- オタ風(客風): 役にならない。真っ先に切る
- 対子になっても鳴けない可能性が高い
- 場風(バカゼ): ポンすれば1翻だが、オタ風よりは価値あり
- 三元牌(白
發
中
): ポンすれば確実に1翻。対子なら残す価値大 - 自風(ジカゼ): ポンすれば1翻+親なら連荘に有利
- ダブ風(場風=自風): ポンすれば2翻。最も価値が高い
対子の字牌
字牌が対子(2枚)の場合
- 三元牌・自風の対子 → 面子手でも絶対に残す(ポンで1翻確保)
- ダブ風の対子 → 絶対に残す(ポンで2翻確保)
- オタ風の対子 → 面子手なら切ることがある(鳴いても役にならない)
- ただし七対子目が見えていれば残す
暗刻の字牌
字牌が暗刻(3枚)の場合
- 役牌暗刻 → 和了時にそのまま1翻確定。絶対に崩さない
- オタ風暗刻 → 面子として有効。崩す理由はない
ブロック理論
ブロックとは
手牌を面子候補(ブロック)に分解したとき、和了には4面子1雀頭 = 5ブロックが必要。
ブロック数による状態判定
| ブロック数 | 状態 | 方針 |
|---|---|---|
| 3以下 | ブロック不足 | 浮き牌を残して変化を待つ |
| 4 | やや不足 | 雀頭候補を意識する |
| 5 | 充足 | ターツ選択。弱いターツから切る |
| 6以上 | 過剰 | 最弱のブロックを切り出す |
ブロック過剰(6ブロック以上)の処理
ブロック6以上の場合、1つは不要。以下の優先順で切り落とす:
- 孤立牌(浮き牌)→ ブロックですらないので最優先で切る
- ペンチャン(12, 89)→ 最も弱いターツ
- カンチャン(端寄り)→ 変化が少ない嵌張
- カンチャン(中央寄り)→ 変化の余地あり
- 対子(雀頭が他にあれば)→ ブロック充足時は切ることもある
- リャンメン → 基本的に切らない
雀頭の確保
- 5ブロックの中に対子がない場合 → 「頭なし」で非常に不利
- 対子がない場合、孤立牌の中から雀頭に変化しやすい中張牌を残す
- 対子が2組以上ある場合 → いずれかを雀頭、いずれかを刻子方向にする判断
ブロック理論と七対子の分岐
- 対子が4組以上あり、かつブロック構造(面子+ターツ)が5つに満たない場合 → 七対子モード
- 対子が4組以上あるが、面子+ターツが5ブロック充足している → 面子手続行
- 現行ロジックではこの判定を正しく実装済み
シャンテン数とターツ選択
シャンテン数ごとの方針
| シャンテン | 方針 | 重視するもの |
|---|---|---|
| 3向聴以上 | 手広く構える | ブロック数、浮き牌の質 |
| 2向聴 | 構想を固める | 好形ターツの保持、役の方向性 |
| 1向聴 | 受け入れ最大化 | 有効牌の枚数、良形テンパイの可能性 |
| テンパイ | 待ちの質と打点 | 待ちの種類・枚数、打点 |
イーシャンテンの形
イーシャンテン(1向聴)は特に重要。以下の分類がある:
| 形 | 名称 | 待ち候補 | 評価 |
|---|---|---|---|
| 完全イーシャンテン | 5ブロック+フォロー牌(搭子隣接の浮き牌) | 6種以上の受け | ◎◎◎ |
| 良形イーシャンテン | リャンメン×2以上 | 好形テンパイ確率高 | ◎◎ |
| 愚形イーシャンテン | カンチャン・ペンチャン含む | 愚形固定の恐れ | △ |
| ヘッドレスイーシャンテン | 対子なし | 雀頭待ちも有効牌 | ◎ |
完全イーシャンテン
例: 











= 13枚
構造
- 2面子(


, 

) + 2搭子(
, 
) + 雀頭(
) + フォロー牌(
) - フォロー牌とは、既存の搭子に隣接する浮き牌のこと
(
は
搭子に隣接して

の複合形を構成) - このフォロー牌の存在が、通常のイーシャンテンにはない追加の受け入れを生む
受け入れ分析(6種)
,
(
両面完成)→ テンパイ。残り

+
から
/
シャンポン待ち or 
両面待ちを選択可
,
(
両面完成)→ 

(

)面子化、
切り → 
両面テンパイ
(フォロー牌の暗刻化)→ 

面子化、
切り → 
m両面テンパイ
(雀頭の暗刻化)→ 

面子 + 
雀頭に転用、
切り → 
両面テンパイ
→ 合計 6種 約20枚 の受け入れ
なぜフォロー牌が重要か(5pとの比較)
- もし浮き牌が
ではなく
(搭子と無関係)だった場合:

完成時: 
+
で
両面のみ(シャンポン選択肢なし)
,
の受け入れが消滅 → 受け入れは4種のみ
の「くっつき」(
,
引き)は新たな搭子を作るだけでシャンテンが進まない(6ブロック目になるだけ)
- 全ブロック+フォロー牌が受け入れに寄与している状態が完全イーシャンテンの定義
- この形を崩す打牌は大きなペナルティを課すべき
くっつきイーシャンテン
例: 











= 13枚(浮き牌2枚)
- 3面子完成(


, 

, 

) + 雀頭(
) + 浮き牌2枚(
,
) - 浮き牌の周辺の牌を引けばターツ形成→テンパイ
- 浮き牌が中張牌であるほど有効牌が多い(5は最強)
巡目による評価関数の変化
基本概念:「瞬間MAX」vs「二次変化」
- 瞬間MAX(瞬間受け入れ最大): 次の1巡で有効牌を引く確率を最大化
- 二次変化: 将来のツモで良形に変化する可能性を評価
これらは対立概念ではなく、巡目に応じて使い分けるもの。
巡目別の評価基準
| 巡目 | フェーズ | 最大化すべきもの | 二次変化の重み |
|---|---|---|---|
| 1〜6巡目 | 序盤 | 和了期待値 | 高い(未来重視) |
| 7〜12巡目 | 中盤 | 局参加期待値 | 中程度(バランス) |
| 13巡目以降 | 終盤 | テンパイ期待値 | 低い(即時重視) |
序盤(1〜6巡目)の方針
- 二次変化を重視: ツモ回数が十分残っている
- 愚形テンパイより好形イーシャンテンを優先 することもある
- 手の「伸びやすさ」「打点余地」「良形変化」を評価
- 手を固定しない方が有利(「まだ手を決めるな」)
具体例
- ペンチャン

を払って浮き牌
を残す → 序盤は正解 - 良形リャンメン等の将来的な受け入れ増加を見込む
中盤(7〜12巡目)の方針
- 速度と打点のバランス: 他家の進行を意識
- 良形変化の余地がまだ少しある
- テンパイ率 × 和了率 のバランスが重要
- 押し引き判断が始まる巡目
終盤(13巡目以降)の方針
- 瞬間受け入れ最大を重視: 変化を待つ余裕がない
- テンパイそのものに大きな価値(流局聴牌料)
- テンパイ維持 > 好形変化 のトレードオフ
- 守備との兼ね合い
シミュレーター実装への示唆
現行ロジックの `evaluateModelSpeed` では `turnsLeft = max(6, 18 – currentTurn)` で残り巡目を計算している。これに加え:
// 巡目による二次変化ウェイト(提案)
function getSecondaryChangeWeight(turnNumber) {
if (turnNumber <= 6) return 1.0; // 序盤: 二次変化フル評価
if (turnNumber <= 12) return 0.5; // 中盤: 半分
return 0.1; // 終盤: ほぼ無視
}
- 序盤: 弱いターツの切り出し(ペンチャン→リャンメン変化狙い)にボーナス
- 中盤: 現行の受け入れ最大ベースで良い
- 終盤: テンパイ維持ボーナスを強化
打点と速度のバランス(期待値計算)
局収支期待値
何切るの最終的な正解は以下の式で決まる:
局収支期待値 = 和了率 × 平均打点 - 放銃率 × 平均放銃失点 + テンパイ確率 × 聴牌料
速度(和了率)に影響する要素
- 受け入れ枚数: 多いほど和了に近づく確率が高い
- 良形/愚形: 良形テンパイは出和了率も高い
- 巡目: 早いほど有利
- シャンテン数: 低いほど有利
打点に影響する要素
- 翻数: 役の複合可能性
- 符: 待ちの形、面子の構成
- ドラ: 表ドラ+赤ドラ
- リーチ: 門前なら+1翻+裏ドラ期待
- ツモ/ロン: ツモなら+1翻
打点と速度のトレードオフ数値基準
一般的な判断基準
| 速度差(受け入れ枚数差) | 打点差がこれ以上なら打点優先 |
|---|---|
| 4枚差 | 2倍以上の打点差 |
| 8枚差 | 3倍以上の打点差 |
| 12枚差 | ほぼ常に速度優先 |
簡易ルール
- 受け入れ枚数が同等なら → 打点が高い方
- 受け入れ枚数が4枚以上差なら → 基本的に枚数が多い方
- 例外: 満貫以上の打点差がある場合は打点側
リーチのEV上昇効果
門前手の場合、リーチによるEV上昇は非常に大きい:
- リーチ: +1翻
- 一発: 約15%の確率で+1翻(平均+0.15翻)
- 裏ドラ: 約40〜45%で1枚以上乗る(平均+0.5翻相当)
- ツモ: ロンできなくてもツモで和了できる
- 相手の降り: リーチ宣言で他家が降りる → 安全にツモ巡が回ってくる
役の方向性判断(軸理論)
主軸の4分類
手牌進行の方向性は大きく4つの「軸」に分類される:
| 軸 | 特徴 | 向いている手 |
|---|---|---|
| リーチ軸 | 門前で手を進め、リーチで打点を取る | 中張牌が豊富、ターツが多い |
| タンヤオ軸 | 牌効率に最も忠実な進行 | 2〜8の中張牌中心、赤ドラと好相性 |
| 役牌軸 | 速度特化。ポンで1翻確保 | 役牌対子あり、手が遅い時 |
| 染め手軸 | 打点特化。色を寄せる | 1色+字牌のブロックが4以上 |
副軸の分類
主軸に乗った後の「形作り」として機能する役:
| 副軸 | 特徴 | 判断基準 |
|---|---|---|
| 七対子 | 対子4+でブロック不足時に主軸に昇格可能 | 対子≧4 かつ ブロック<5 |
| トイトイ | 鳴きで暗刻→ポン刻。打点上昇 | 暗刻2+、役牌あり |
| 三色 | 3色のn(n+1)(n+2)。自然に見えた時のみ | 2色以上面子完成、残り1色にターツ |
| 一通 | 同色の123-456-789。結果論が多い | 2ブロック完成、残り1ブロックにターツ |
| 平和 | 門前+全順子+リャンメン待ち+雀頭非役牌 | 門前、中張牌多め |
シミュレーターへの実装示唆
方向性の判定フロー
- 手牌のブロック構成を分析
- 以下を判定:
- a. 染め手判定: 1色+字牌でブロック4以上、他色ブロック0
- b. タンヤオ判定: 1,9,字牌が0または孤立のみ
- c. 役牌判定: 役牌対子あり
- d. 七対子判定: 対子4以上、かつブロック不足
- 該当する軸に応じた加点/減点を適用
七対子モードの判定
判定条件(現行ロジック)
- 対子が4組以上
- かつ面子手としてのブロック(面子+ターツ)が5未満
改善提案:より精密な判定
七対子への傾斜度合いは段階的であるべき:
| 対子数 | ブロック数 | 判定 |
|---|---|---|
| 4 | 5以上 | 面子手続行 |
| 4 | 4以下 | 七対子モード |
| 5 | 5以上 | 面子手優先、七対子を意識 |
| 5 | 4以下 | 七対子強行 |
| 6 | – | 七対子確定(聴牌) |
七対子モード時の切り順
- 対子を絶対守る(対子崩しに大ペナルティ)
- 孤立字牌は残す(七対子で字牌待ちは出和了しやすい)
- 中張牌の孤立は切る(他家に使われやすく、待ちとして出にくい)
- トイツ落とし: 3枚目が来た牌は1枚切って対子に戻す
染め手(ホンイツ・チンイツ)の判定
判定条件(現行ロジック)
ホンイツ移行条件:
本命色 + 字牌のブロック ≧ 4
AND 他色のブロック = 0(全て孤立牌)
判定の段階的な評価(改善提案)
枚数ではなくブロック構造で判断するのは正しいが、さらに細かく:
| 状態 | 判定 | 打牌への影響 |
|---|---|---|
| 本命+字のブロック≧4、他色ブロック=0 | 染め確定 | 他色孤立を+2500で切り飛ばす |
| 本命+字のブロック≧3、他色ブロック=1 | 染め傾斜 | 他色のターツ崩しにもボーナス(+500程度) |
| 本命+字のブロック=3、他色ブロック≧2 | 染めない | 通常評価 |
鳴きと染め手
- 他家の字牌をポンして染め手に向かうケースが非常に多い
- 副露済みの面子の色も判定に含める(現行ロジック実装済み)
- 鳴いている色が1色に偏っている → ホンイツの可能性が高い
チンイツの特殊評価
- 字牌0枚で1色に集中 → チンイツ(門前6翻/鳴き5翻)
- ホンイツの3倍以上の打点
- 字牌を切ることへのペナルティは不要(チンイツ狙いなら字牌を切る)
ドラの扱い
ドラの価値
ドラは1枚=1翻で、無条件に打点が上がる最も効率的な要素。
ドラ周辺牌の保持
- ドラそば(ドラ牌の±2以内): ドラ受けがある孤立牌は通常より残す価値が高い
- ※「ドラ表示牌」ではなく「ドラ牌そのもの」の±2。例: ドラが5mなら3m〜7mがドラそば
- 現行ロジック: `getDiscardPriority()` で±2以内をpriority=12(高保持)に設定
ドラの枚数による判断変化
| ドラ枚数 | 打牌への影響 |
|---|---|
| 0枚 | 打点不足。役の複合を意識する |
| 1枚 | リーチで満貫級を目指せる。速度寄り |
| 2枚以上 | 高打点確定。多少の愚形も許容される |
| 3枚以上 | 超高打点。速度最優先でよい |
赤ドラ(赤5)の特殊な扱い
- 赤5


は5と同等の牌だが、ドラ扱い - 赤5を含む手はドラ+1翻の恩恵がある
- 5を受け入れ牌とするターツ(34(2,5待ち), 46(5待ち), 67(5,8待ち)等)は赤5受けがある → 通常よりやや高評価
- ※ 45(3,6待ち)・56(4,7待ち)は5を既に含むため赤5「受け」にはならない(手牌の5が赤ならそれ自体がドラだが、それは「受け」とは別)
- 現行ロジック: 赤5の有効牌分離は `evaluateModelSpeed` で wait を split して対応済み
テンパイ時の待ち選択
待ちの種類と和了率
| 待ち | 種類数 | 枚数(最大) | 出和了しやすさ |
|---|---|---|---|
| 両面 | 2種 | 8枚 | 高い(自然に出る) |
| シャボ | 2種 | 4枚 | 中(字牌含みなら高い) |
| カンチャン | 1種 | 4枚 | 中 |
| ペンチャン | 1種 | 4枚 | やや高い(意外と出る) |
| 単騎 | 1種 | 3枚 | 字牌なら高い |
良形テンパイの価値
- リャンメンテンパイ: 最も安定。リーチでの和了率は約45-55%
- 愚形テンパイ: 和了率は約25-35%。倍近い差がある
- 現代麻雀では「愚形テンパイよりもう1巡待って良形テンパイ」が正解になるケースが多い
テンパイ維持 vs テンパイ崩しの判断
テンパイ崩しが正解となる条件
- 現在の待ちが愚形(1種4枚以下)
- 崩すことで良形テンパイに変化する受け入れが多い(目安: 手変わり8枚以上)
- 序盤〜中盤であること(巡目に余裕がある)
- 打点が大きく上がるケースがある
テンパイ維持が正解となる条件
- 良形テンパイ
- 終盤(13巡目以降)
- テンパイ料が重要な局面
- 手変わりが少ない
ダマテン vs リーチの判断基準
→ 14章で詳述
リーチ判断
リーチのメリット・デメリット
メリット
- +1翻(確定)
- 一発の確率(約15%で+1翻)
- 裏ドラの期待値(+0.3〜0.5翻相当)
- 他家への圧力(降り打ちを強制)
- ツモのみの手もリーチで和了可能
デメリット
- 1000点の供託
- 手牌を変更できない(手変わりを放棄)
- 他家に警戒される(危険牌を止められる)
- 振り込み回避ができない
リーチ判断の数値基準
基本ルール: 門前テンパイはほぼリーチ
特にリーチすべきケース:
- 良形テンパイ(リャンメン以上)
- 打点が2翻以下(リーチで大幅UP)
- 序盤〜中盤(残り巡目が多い)
ダマが有利なケース:
- 既に満貫以上ある(リーチの打点上昇メリットが薄い)
- 終盤(残り3巡以下)
- 3面待ち以上のダマでの出和了率が高い局面
- 和了逃し(見逃し)を活用したい
追っかけリーチの判断
- 他家がリーチしている状態でのリーチ
- 自分もテンパイしているなら基本的にリーチ
- 愚形1000点 vs 他家リーチ → 降りた方が良いケースも
副露(鳴き)判断
鳴くべき条件
- 役が確定する(役牌ポン、タンヤオ確定など)
- テンパイに入る(速度メリットが大きい)
- 打点が維持される(鳴いても3翻以上など)
鳴くべきでない条件
- 役がなくなる(鳴くとリーチ・平和・一盃口等が消える)
- 打点が激減する(門前満貫→鳴いて1000点など)
- 手牌が減って守備力が低下する
- 「鳴いて飛び出る当たり牌」 → 鳴き後の切り出しに危険牌しかない時
チーの特殊性
- チーは上家からのみ
- チーはターツを完成させる → 手が進む
- しかし手牌が短くなり、守備力が下がる
- 安牌がない状態でのチーは危険
何切るシミュレーターでの副露考慮
- 現行ロジックでは副露済みの面子を `melds` として受け取り、シャンテン数・役判定に反映している。
- 改善提案: 副露手の場合、守備力低下ペナルティも考慮すべき。
守備・安全牌管理
何切るシミュレーターにおける守備の位置づけ
何切るシミュレーターは主に攻撃面(和了確率×打点)を評価するが、現実の麻雀では守備面(放銃リスク)も重要。
安全度の順序
安全な順
- 現物(リーチ者の捨て牌にある牌)
- 字牌(場に2枚以上見えている)
- スジ(両面待ちに対して安全)
- ワンチャンス(全4枚中3枚見えている牌の周辺)
- 壁(全4枚中4枚見えている牌の周辺)
何切るにおける守備考慮の提案
終盤や他家リーチ時に、打牌候補の「守備的価値」を加点する仕組み:
// 安全牌保持ボーナス(提案)
if (turnNumber >= 10) {
// 字牌の孤立は切りやすいが、安全牌としての価値もある
// 安全牌を1枚保持していることへのボーナス
safetyBonus = countSafeTiles(handAfterDiscard) * 100;
}
麻雀の格言とその妥当性
牌効率系の格言
| 格言 | 意味 | 妥当性 | シミュレーター関連 |
|---|---|---|---|
| 「飛び対子は中を切れ」 | ◎ | リャンカン判定で対応可能 | |
| 「両嵌の渡りは残せ」 | ◎ | 二次変化評価で対応 | |
| 「伸ばすは外、かけるは内切り」 | ◎ | 巡目による変化に対応 | |
| 「好牌先打」 | 良い牌は後で危険になるから先に切る | △ | 攻撃面のみなら基本的に必要ない |
待ち選択系の格言
| 格言 | 意味 | 妥当性 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 「単騎は西で待て」 | 客風の西は場に出やすい | △ | 統計的根拠は薄い |
| 「下手なシャボより辺嵌」 | シャボ待ちより辺張・嵌張を選べ | △ | 字牌含みシャボは実際強い |
| 「人の嫌がる三門聴」 | 変則三面待ちは読まれにくい | ◎ | 出和了率が高い |
守備系の格言
| 格言 | 意味 | 妥当性 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 「序盤の裏スジ、中盤のまたぎスジ」 | 危険牌のパターンが巡目で変わる | ○ | 統計的に一定の相関あり |
| 「鳴いて飛び出る当たり牌」 | 鳴き後の切り出しは危険 | ◎ | 実戦で非常に有効 |
受け入れ枚数一覧表(参考値)
両面搭子の受け入れ

→
,
待ち: 最大8枚

→
,
待ち: 最大8枚(5受けに赤5含む→打点上昇)

→
,
待ち: 最大8枚

→
,
待ち: 最大8枚

→
,
待ち: 最大8枚(5受けに赤5含む→打点上昇)

→
,
待ち: 最大8枚
嵌張搭子の受け入れ

→
待ち: 最大4枚

→
待ち: 最大4枚

→
待ち: 最大4枚

→
待ち: 最大4枚(赤5受けで打点上昇の可能性)

→
待ち: 最大4枚

→
待ち: 最大4枚

→
待ち: 最大4枚
辺張搭子の受け入れ

→
待ち: 最大4枚

→
待ち: 最大4枚
符計算の基礎(打点精度向上用)
基本符
- ツモ和了: 基本符20符 + ツモ2符
- ロン和了(門前): 基本符30符(副底20符+門前加符10符)
- ロン和了(鳴き): 基本符20符
- ※ 符加算が全てゼロで合計20符になる場合(食い平和形)は30符に切り上げ
面子の符
| 面子 | 中張牌 | 幺九牌 |
|---|---|---|
| 順子 | 0符 | 0符 |
| 明刻 | 2符 | 4符 |
| 暗刻 | 4符 | 8符 |
| 明槓 | 8符 | 16符 |
| 暗槓 | 16符 | 32符 |
待ちの符
| 待ち | 符 |
|---|---|
| 両面 | 0符 |
| シャボ(シャンポン) | 0符 |
| 嵌張 | 2符 |
| 辺張 | 2符 |
| 単騎 | 2符 |
雀頭の符
| 雀頭 | 符 |
|---|---|
| 数牌・オタ風 | 0符 |
| 場風 | 2符 |
| 自風 | 2符 |
| 三元牌 | 2符 |
| ダブ風(連風牌) | 4符 |
点数早見表
子のロン
| 翻\符 | 25 | 30 | 40 | 50 | 60 | 70 | 80 | 90 | 100 | 110 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1翻 | – | 1000 | 1300 | 1600 | 2000 | 2300 | 2600 | 2900 | 3200 | 3600 |
| 2翻 | 1600 | 2000 | 2600 | 3200 | 3900 | 4500 | 5200 | 5800 | 6400 | 7100 |
| 3翻 | 3200 | 3900 | 5200 | 6400 | 7700 | 満貫 | 満貫 | 満貫 | 満貫 | 満貫 |
| 4翻 | 6400 | 7700 | 満貫 | 満貫 | 満貫 | 満貫 | 満貫 | 満貫 | 満貫 | 満貫 |
親のロン
| 翻\符 | 25 | 30 | 40 | 50 | 60 | 70 | 80 | 90 | 100 | 110 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1翻 | – | 1500 | 2000 | 2400 | 2900 | 3400 | 3900 | 4400 | 4800 | 5300 |
| 2翻 | 2400 | 2900 | 3900 | 4800 | 5800 | 6800 | 7700 | 8700 | 9600 | 10600 |
| 3翻 | 4800 | 5800 | 7700 | 9600 | 11600 | 満貫 | 満貫 | 満貫 | 満貫 | 満貫 |
| 4翻 | 9600 | 11600 | 満貫 | 満貫 | 満貫 | 満貫 | 満貫 | 満貫 | 満貫 | 満貫 |
子のツモ(子払い / 親払い)
| 翻\符 | 25 | 30 | 40 | 50 | 60 | 70 | 80 | 90 | 100 | 110 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1翻 | – | 300/500 | 400/700 | 400/800 | 500/1000 | 600/1200 | 700/1300 | 800/1500 | 800/1600 | 900/1800 |
| 2翻 | 400/800 | 500/1000 | 700/1300 | 800/1600 | 1000/2000 | 1200/2300 | 1300/2600 | 1500/2900 | 1600/3200 | 1800/3600 |
| 3翻 | 800/1600 | 1000/2000 | 1300/2600 | 1600/3200 | 2000/3900 | 満貫 | 満貫 | 満貫 | 満貫 | 満貫 |
| 4翻 | 1600/3200 | 2000/3900 | 満貫 | 満貫 | 満貫 | 満貫 | 満貫 | 満貫 | 満貫 | 満貫 |
親のツモ(○○オール)
| 翻\符 | 25 | 30 | 40 | 50 | 60 | 70 | 80 | 90 | 100 | 110 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1翻 | – | 500 | 700 | 800 | 1000 | 1200 | 1300 | 1500 | 1600 | 1800 |
| 2翻 | 800 | 1000 | 1300 | 1600 | 2000 | 2300 | 2600 | 2900 | 3200 | 3600 |
| 3翻 | 1600 | 2000 | 2600 | 3200 | 3900 | 満貫 | 満貫 | 満貫 | 満貫 | 満貫 |
| 4翻 | 3200 | 3900 | 満貫 | 満貫 | 満貫 | 満貫 | 満貫 | 満貫 | 満貫 | 満貫 |
満貫以上(5翻〜)
| 翻数 | 名称 | 子ロン | 子ツモ(子/親) | 親ロン | 親ツモ(全員) |
|---|---|---|---|---|---|
| 5翻 | 満貫 | 8,000 | 2,000/4,000 | 12,000 | 4,000 |
| 6-7翻 | 跳満 | 12,000 | 3,000/6,000 | 18,000 | 6,000 |
| 8-10翻 | 倍満 | 16,000 | 4,000/8,000 | 24,000 | 8,000 |
| 11-12翻 | 三倍満 | 24,000 | 6,000/12,000 | 36,000 | 12,000 |
| 13翻+ | 役満 | 32,000 | 8,000/16,000 | 48,000 | 16,000 |
- 備考
- 25符は七対子専用。1翻25符は存在しない(七対子は最低2翻)。
- 子ツモの表記は「子の支払い / 親の支払い」。合計 = 子×2 + 親×1。
- 親ツモの表記は「各プレイヤーの支払い(3人分)」。
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